日東紅茶100周年を記念する特設WEBサイト。このサイトに込めた考えと、制作の過程で見えてきたことを振り返ります。100周年を「記録する」だけではなく、次の100年に向けた紅茶文化の可能性をどう広げていけるのか。その問いから、このサイトづくりは始まりました。
ピクニックメンバー:
栗原 渉(株式会社スマイルズ)/ 執筆
遠藤 真耶(経営企画部)、干川 里実(経営企画部)、日東紅茶100周年プロジェクトメンバー
100周年を、ただの記念で終わらせないために
日東紅茶が100周年を迎える。
その大きな節目に向き合うなかで、私たちが最初に考えたのは、「100年の歴史をどう見せるか」という問いでした。
もちろん、これまで積み重ねてきた時間をきちんと記録することは大切です。長く愛されてきた商品があり、日々の暮らしのなかで紅茶を楽しんできた人たちがいて、その背景には、つくる人、届ける人、飲む人の関係があります。100周年というタイミングは、それらをあらためて見つめ直す機会でもありました。
一方で、私たちがこのWEBサイトで目指したかったのは、過去を振り返るだけの周年アーカイブではありません。

REPORT(#レポート)、JOURNAL(#ジャーナル)、PROJECT(#プロジェクト)、PRODUCT(#プロダクト)、NEWSといったコンテンツを通して、日東紅茶の100周年にまつわる活動を記録していくサイトです。ただし、それぞれの記事や情報は、単に活動の履歴として並ぶものではなく、紅茶を中心に、面白いヒト・モノ・コトが集まってくるための入口であってほしいと考えました。
紅茶は、飲みものです。
でも同時に、人と人が話す時間をつくったり、暮らしのなかに小さな余白を生んだり、誰かの好奇心を連れてきたりするものでもあります。
だからこそ、100周年のWEBサイトも、日東紅茶だけが何かを発信する場所ではなく、紅茶をきっかけにさまざまな活動や人の思いが集まり、それぞれが少しずつつながっていく場所にしたい。そんな考えが、企画の出発点にありました。
このサイトに来ると、いま起きている紅茶のまわりの活動が見える。さらに、その先にある「これからの紅茶文化」の兆しも見えてくる。100年の歴史を礎にしながら、次の100年へ向かうための小さな広場のようなWEBサイト。それが、私たちがここに込めた最初のイメージです。
何度も立ち戻った、「何のためのサイトか?」
制作の過程では、何度も立ち止まりました。
ページ構成を考え、ワイヤーフレームをつくり、デザインの方向性を検討し、言葉を置いてみる。そのたびに、「これは単なる情報整理になっていないか」「100周年らしさを、お祝いムードだけで捉えていないか」「紅茶を中心に人や活動が集まる感じは出ているか」と問い直していきました。
日東紅茶の皆さんとともに、スマイルズとThe Mooseさんで、WEBサイトとしてどう体験できる形にするか。 その翻訳のプロセスでも、たくさんのやりとりがありました。
たとえば、Figma上のワイヤーフレームは何度も作り直しました。
コンテンツをどう分類するのか。記事一覧をどう見せるのか。活動の広がりが見えるにはどうすればいいのか。画面上の配置を検討しているようでいて、実際には「このサイトがどんな場所であるべきか」を議論していたのだと思います。

デザイン案も、最初から一つに決まったわけではありません。
100周年らしい特別感をどう出すか。一方で、肩肘張った記念サイトではなく、ふらっと立ち寄れるような親しみをどう残すか。紅茶の持つ日常性と、100周年という節目の高揚感。その両方を行き来しながら、少しずつトーンを探っていきました。

なかでも時間をかけたのが、Aboutページのステートメントです。
このサイトは何なのか。何を目指しているのか。誰に向けて開かれているのか。それを説明しすぎず、でも曖昧にもしすぎず、言葉にしていく必要がありました。
ステートメントは、何度も文章を直しました。
「アーカイブ」という言葉だけでは少し閉じてしまう。でも「コミュニティ」と言い切るには、これから育っていく余白も残したい。そんな細かなニュアンスを確かめながら、少しずつ言葉を整えていきました。
もしかしたら完成したサイトだけを見ると、スムーズに組み上がったように見えるかもしれません。
でも実際には、その手前にたくさんの迷いがありました。迷ったからこそこのサイトは何を記録し、何をつなげ、誰に話しかける場所なのかを、何度も確認できたのだと思います。
サイトは、公開してからが本番
WEBサイトは、公開された瞬間に完成するもののようでいて、本当はそこから始まるものでもあります。特にこのサイトは、公開時点で完結する記念サイトではなく、これから活動が積み重なっていくことで育っていくサイトです。
REPORT(#レポート)には、実際に行われた活動の記録が残っていく。
JOURNAL(#ジャーナル)には、紅茶のまわりにある考え方や文化の兆しが綴られていく。
PROJECT(#プロジェクト)には、新しい取り組みや共創のかたちが見えてくる。
PRODUCT(#プロダクト)には、商品を通した日東紅茶らしさが集まっていく。
Tea Friendsには、活動に参加してくれた紅茶仲間の皆さんが並ぶ。
NEWSには、その時々の動きが更新されていく。
それらが少しずつ増えていくことで、サイト全体がひとつの風景になっていくはずです。
目指しているのは、100個の活動が並んだときに、紅茶を中心にどれだけ多様なヒト・モノ・コトが動いているのかが見えてくるような、壮観なサイトです。
そして、そのためには、サイトがあるだけでは足りません。
活動が生まれ、それが記事になり、誰かに読まれ、また次の活動のきっかけになる。そうした循環が起きていく必要があります。言い換えるなら、このサイトは、活動を記録する場所であると同時に、活動を生み出すための小さなトリガー(きっかけ)でもあります。
ここに掲載されることが、関わる人たちの励みになる。誰かの記事を読んだ人が、「自分も紅茶をきっかけに何かしてみたい」と思う。そんな連鎖が起きたら、とても嬉しいことです。
100周年という節目は、過去を祝うためだけのものではありません。
これまでの100年を受け取りながら、これからの100年に何を手渡していけるのかを問い直す時でもあります。このサイトが、その問いを開き続ける場所になればいいなと思っています。
日東紅茶を中心に、また集まれる場所へ
このサイトは、100周年を記念して公開された特別なWEBサイトです。
けれど私たちは、このサイトを一度きりの記念で終わらせるのではなく、日東紅茶を中心に面白いヒト・モノ・コトが集まり続ける、長く続く場所に育てていきたいと考えています。
ここで記録された活動が、次の活動を呼び込む。
ここで出会った言葉や人が、日東紅茶とともに、これからの紅茶文化を少しずつ形づくっていく。そんな文化の起動装置のような場所になれたなら、これ以上嬉しいことはありません。
いま、そしてこれからの日東紅茶に出会える場所を目指して。
ここに、またいつでも遊びに来てください。
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